狂言・大蔵流・善竹【善竹忠亮オフィシャルHP】公演スケジュールお問い合わせTOP
  <公演記録>  
 
  ●2016 1/10(日)新春能 翁 国栖(神戸・湊川神社神能殿)  
     
   
         
   
         
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  ●2012 5/4(金・祝)親子で楽しめる狂言・えいご・ワークショップ(東京・国立能楽堂)  
     
   
         
   
         
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  ●2011 11/20(日)志芸の会公演第四回「春秋釣狐の会」牟田素之 釣狐披キ(大阪能楽会館)  
     
   
         
   
         
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  ●2011 5/13(金)大蔵流 狂言方 善竹忠重 釣狐(東京・国立能楽堂)  
     
   
         
   
         
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  ※本公演の収益は、日本赤十字社を通じて、東日本大震災復興義援金とさせていただきます。  
         
 
 
 
  ●2010 10/26(火)〜28(木)マクベス(東京)  
         
   
         
   
 
 
 
 
  ●2010 7/18(日)7/25(日)モリエール第二弾「ひなどり花嫁」(東京・大阪)  
         
   
         
   
 
 
 
 
  ●2010 5/28(金)5/29(土)6/4(金)6/5(土)ロミオ&ジュリエット(京都・大阪・東京)  
         
   
         
   
 
  2010年 Theatre Project Si ラストへのカウントダウン。今送るは、この物語。 2008年『ハムレット』でその幕を開けたTheatre Project Si。「3年間で全6作」という計画で始まったこのプロジェクトは、今年2010年、ついに最後の年を迎えます。第5回の今回、満を持してお送りするのは 「ロミオ&ジュリエット」シェイクスピア劇の中で最も有名で、最も多くの人に愛された作品と言っても過言ではないこの作品。
 
主人公のロミオとジュリエットに「ハムレット」以来のダブル主演となる大蔵流狂言師・善竹忠亮&二期会・ソプラノ土田聡子。これまで唯一、全作品に出演してきた2人が、主演として再び対峙します。
モンタギューVSキャピレットという2つの家同士の争いの中で、恋に落ち、やがて悲劇を迎えるふたりの物語。
 
モンタギュー家を狂言師で、対するキュピレット家をオペラ歌手で固めると言う、かつてない趣向でお届け致します。全シリーズ中、最多の4人のオペラ歌手(二期会)を迎える今回は、続投のメゾソプラノ・北澤幸の他、バスバリトン・畠山茂、バリトン・吉川健一が初参加。新風を吹き込みます。大蔵流狂言師からは、若手の筆頭・茂山良暢と牟田素之が参加。ロミオとジュリエットを密かに助ける実相院役は、2大流派の重鎮、善竹忠重(大蔵流)・佐藤友彦(和泉流)によるWキャスト。さらに音楽は琴とチェンバロという、東西の旋律楽器の対決です。琴に青木麻衣子、チェンバロに小林功を配します。美しい旋律の二重奏と、二期会豪華オペラ勢により、シリーズ随一の音楽性を目指します。 (公演パンフレットより)  
 
<公演日時>
京都 公演 2010年5月28日(金) 午後7時開演 於 京都観世会館
大阪 公演 2010年5月29日(土) 午後2時開演 於 大阪能楽会館
東京 公演 2010年6月4日(金) 午後2時・5日(土)午後7時開演 於 国立能楽堂
 
<キャスト>

【鈴木家(モンタギュー)】
鈴木大介(ロミオ)・・・・・・・善竹忠亮
竹本大膳・・・・・・・・・・・茂山良暢
青山十郎・・・・・・・・・・・牟田素之
【松山家(キャピレット)】
松山鮎(ジュリエット)・・・・・土田聡子
坂本義仲・・・・・・・・・・・吉川健一
松山義家・・・・・・・・・・・畠山茂
かえで・・・・・・・・・・・・北澤幸
 
演出 
関根勝
原作 ウィリアム・シェイクスピア
作曲 石川潤一 音楽アドバイザー 吉田亮一
衣装 山本喜代志(オートクチュール・コスタブランカ)
ヘア&メイク 山崎健志 
演出助手 牟田素之 宣伝美術 小池真奈美 宣伝デザイン 石川俊介
プロデュース 川橋範子
 
主催
 Theatre Project Si 京都実行委員長 吉田恒(吉田装束店)
後援 日英協会 二期会 イタリア研究会 新風館 早稲田大学国際教養学術院 関西大学アジア文化交流研究センター VivaCe 五島公認会計事務所
 
料金

A席 5,000円 B席 4,500円 C席・E席4,000円 D席3,500円 F席3,500円(学生2,000円) 
お申込み 03-3584-2085(Theatre Project Si事務局) 
 
チケット取り扱います → http://www.zenchiku.com/zen_mail01.html
 
 
 
 
 
  ●2010 02/13(土)・28(日)日本式フランス喜劇「恋の良薬」(東京・大阪)  
         
   
         
   
 
  喜劇作家としてはシェイクスピアをも凌駕すると言われる<モリエール>
我が国の喜劇のルーツを担う
 
<狂言>
「志芸の会(しげのかい)」が、この世界の「喜劇」を日本の「をかし」に広げる新プロジェクトを始動、バレンタインを挟む恋の季節に能楽堂を新たな笑いの渦に巻き込みます。 17世紀フランスの喜劇作家モリエールの作品を舞台化した喜劇『恋の良薬』
 
<あらすじ>
遼之進(レアンドル)を慕う鮎姫(リュサンド)。でもその恋が叶わぬことを知るや仮病を使い、親の決めた婚儀の先延ばしを計ります。その身を案じた父・紳右衛門(ジェロント)は、ただひとり姫の想いを知る乳母・若尾(ジャクリーヌ)の話も聞かず、太郎冠者(ルカ)にどんな病もたちどころに治す薬師を探して来いと命じるのでした。そこへ妻・多賀(マルチーヌ)から愛想をつかされた炭焼きの男・清助(スガナレル)が登場。あれよあれよという間にまんまと名医師に担がれてしまった清助の、そして姫の運命は・・!?  
 
<みどころ>

様々な恋のテーマが散りばめられながらも、とにかく思わず笑ってしまうシーンが連続するのが見どころの今作品。モリエール作品『いやいやながら医者にされ』を大胆にアレンジしました。もちろん原作公演時話題になった、学識を笠に着て患者を蔑ろにする医者への不信感が容赦ないモリエールの主張はそのままに、でたらめな言葉や学説に踊らされる人々のおかしみの面白さ(専門家の意見に盲従する現代でもそれが不変であることは周知のとおり)は、よりわかりやすく脚色されています。
そこへ室町時代から社会をありのままに表現してきた狂言の担い手が、培った技と間を駆使して新たな「をかし」の笑いを創造していきます。 演出は東西文化融合プロジェクトをすすめる早稲田大学教授の関根勝氏。また作曲に石川潤一氏を迎え、鮎姫役に中西麻貴氏(オペラ歌手)を起用。音楽の世界から作品観を構築していきます。  
 
<公演日時>
東京 公演 2010年2月13日(土) 午後6時開演 於 渋谷セルリアンタワー能楽堂
大阪 公演 2010年2月28日(日) 午後2時開演 於 大阪能楽会館 <キャスト>
紳右衛門(ジェロンド)・・・・・善竹忠重
清助(スガナレル)・・・・・・・善竹忠亮
鮎姫(リュサンド)・・・・・・・中西麻貴(関西二期会・ソプラノ)
太郎冠者(リュカ)・・・・・・・稲田裕(東京公演) 尾鍋智史(大阪公演)
遼之進(レアンドル)・・・・・・小林惟毅、事故により岡村和彦が代演します。
若尾(ジャクリーヌ)・・・・・・瀬戸圭(劇団神戸)
多賀(マルチーヌ)・・・・・・・牟田素之
 
演出 関根勝
脚本 森十八 作曲 石川潤一 衣装 吉田装束店 ヘア&メイク 山崎健志 
演出助手 牟田素之
 
料金
 一般前売 4,500円(一般当日5,000円) 学生前売2,500円(3,500円)
※ワンコイン座席指定・・・大阪公演のみ、プラス100円で座席指定が出来ます。志芸の会FAXからのみの受付致します。チラシの裏面をご利用下さい
⇒ファックス番号078−841-1651
 
『モリエール』について・・・ 本名ジャン=バティスト・ポクラン(Jean−Baptiste Poquelin/1622〜1673)喜劇作家としてはシェイクスピアを凌ぎ、今なお世界最高の地位に立つとされています。
パリの裕福な家庭に生まれたモリエールは、オルレアン大学で法律を学んだ後、俳優となりますが芽が出ず、売れない劇団の座長として地方の旅廻りを続けます。この時期に人間観察力を養ったとされ、1658年パリに戻ると次々に作品を上演。
殊に「女房学校(1662年作)」が大評判となり、史上初めて《喜劇作家》としての地位を築きます。特に人間の本性をさまたげる伝統的なしきたりに対する風刺喜劇は、当時代のフランス社会を正確に描写しており、後に宮廷でも支持を受け、人気、評価を不動のものにしていくのでした。その作中人物は今日でも人気が高く、作品は多くの国で翻訳され愛され続けています。
 
主な作品は「人間嫌い」「ドン・ジュアン」「町人貴族」「病は気から」「スカパンの悪巧み」など。この『恋の良薬』はモリエールの作品「いやいやながら医者にされ(Le Me´decin malgre´ lui 1666年作)」をもとに脚色しました。
 
 
 
 
 
  ●2009 06/4(木)〜20 オセロ(能楽堂ツアー|東京・大阪・名古屋)  
         
   
         
   
 
 
 
 
  ●2009 04/25(土)志芸の会公演第一回「春秋釣狐の会」善竹忠亮 釣狐披キ(大阪能楽会館)
 
   
         
   
 
  志芸の会 公演「春秋釣狐の会」 (大蔵流狂言方 善竹忠亮 釣狐披キ)
 
 演目:【棒縛】尾鍋智史 徳田知道 小林維毅   
    【釣狐】善竹忠亮 善竹忠重 笛・赤井啓三
 日時:4/25(土)午後2時開演
 場所:大阪能楽会館(大阪市北区曽根崎)
 料金:一般前売3,000円 一般当日4,000円
    学生前売2,000円 学生当日2,500円
 主催:志芸の会
 お問い合せ:電話 078-891-6007  FAX:078-841-1651(志芸の会)
 
 
 
 
 
  「猿に始まり狐に終わる」  
  かつてTVコマーシャルにより流布されたこのフレーズ。狂言を実際に観たことがなくとも知らない人は少ない。「猿」とは『靭猿(うつぼざる)』の子猿役、「狐」とは『釣狐(つりぎつね)』の狐役である。「猿に始まる」、この曲で子役としてのスタートをきるということは想像に難くない。だが、「狐に終わる」、この言葉をどれ程の人が理解しているだろう。
 
 
<極重習 >
釣狐は大蔵流においては極重習(ごくおもならい)、和泉流においては大習(おおならい)、とされている。読んで字の如く、もっとも習得が難しい重要な曲と位置付けられている。しかし、それを演じることで登山における頂点を制し、マラソンにおけるゴールにたどりつく、すなわち「終わり」を迎えることができる、というのは大きな誤解である。
  
 
<披き>
この曲を初めて演じることを「披き(ひらき)」という。通常、狂言師の家に生れ、6歳ごろから修行を積んだ者は、20代半ばにこの曲を披く。笑いを中心とした一般的な狂言の役をひととおり習得した頃、技術的には伸び盛り、体力的にはまだまだ余裕のあるこの年頃に釣狐という曲を披く。
 
師匠は(多くの場合)父である。この曲を習得するためには、通常の狂言とは異なる格別に厳しく特殊な稽古を要するという。そして、この曲を披いた時、初めて一人前の狂言師として、いわば独り立ちできるといわれている。「狂言方の卒業論文」と呼ばれることがあるのはそのためである。
今日においては、その修錬過程の厳しさを考慮すれば「博士論文」に相当するといってもさしつかえあるまい。
 
 
<狐に終わる >
すなわち狐によって「終わる」のは、父なる師匠の庇護の元に安んじてきた「修行過程」であり、この曲を最後に独立した芸能者として、生涯続く修行への幕開けを迎えるわけである。狂言師にとってこれほど重要な曲はあるまい。
 
 
<あらすじ>
釣狐は技術的に難易度が高いというばかりではなく演劇的な魅力にもあふれた曲である。釣狐のあらすじはこうである。猟師のもとに一人の老僧が訪れる。名を伯蔵主(はくぞうす)といい、猟師にとっては伯父にあたる。殺生をすることの罪深さを説く僧は、実は、一族がことごとく捕獲され絶滅の危機を感じた狐が猟師に狐釣りを思いとどまらせるために化けた姿であった。
 
説得に応じて猟師は罠を捨てる。喜びに満ちた帰り道、捨てられた罠を見つけた狐は一族の敵とばかりに罠を攻める。しかし、罠に仕掛けられた好物の餌の匂いに、欲望を抑えきれず、僧衣を脱いで狐の姿にもどろうと急いで巣穴に帰る。伯父の様子を不審に感じた猟師は、捨てたふりをして仕掛けておいた罠が荒らされていることで伯蔵主の正体に気づき、待ち伏せをする。そうとは知らない狐はケモノの姿に戻ってやって来る。
 
 
<みどころ >
前半部分、狐の化けた伯蔵主がこの曲の最大の見どころといえる。通常の狂言とは明らかに異なる緊張感が舞台を張り巡らせる。無理な姿勢、特別な発声という技術的な特殊性に由来するばかりではない。狐の化けた僧という設定による、生臭い野獣性と殺生禁断を説く高潔性のある種矛盾した両面性によって「この世のものとは思えない」えもいわれぬ不気味な存在感に集約されている。
 
この不気味さは、釣狐を稽古する者にしか伝えらることない門外不出の口伝など数多くの秘儀を表現するための演者の極度の集中力によって醸し出されている。通常の狂言の軽やかで洒脱な表現を極めるためには、斯くも深くて暗い闇の世界を理解しなくてはならないのかと、観る者を圧倒させるに違いない。また終始「着ぐるみ」に包まれ体力の限界に挑む姿は自ずと熱演を生じ、熱い感動として客席に伝わることは間違いない。
 

<善竹忠亮が披く>
善竹忠亮は神戸市在住の29歳。善竹忠重の長男として、関西能楽界の若手の一翼を担い、将来を嘱望される青年である。見た目には当世風のイケメンのようではあるが、幼少より古典芸能の修練を重ねただけに、芸能に対する真摯な追求はやまず、狂言師としての舞台活動と並行して立命館大学の大学院で能狂言の近代史を学術的な側面から研究している。
 
4歳で初舞台をして以来、順調に狂言師としての基礎を固めてきた彼は昨今、早稲田大学教授関根勝氏のプロジェクトでシェイクスピア演劇に挑戦している。教授から求められたのは、狂言で培った心技体を駆使しつつ、狂言を封印した現代劇表現をするというものであった。すでに2008年6月にはハムレットを主演し、このプロジェクトを成功に導いている。
 
今回、29歳の披きは他家に比べて遅咲きといえるかもしれない。それだけに、客席においては、披きという緊張感の共有を楽しみつつ、高いレベルでの完成度を期待することができるというものである。この舞台が彼の芸能人生の大きな節目となるのは間違いなく、客席にいる者は、その歴史的な現場に立ち会うという大きな責任をも持って臨みたい。
 
     
 
 
 
  <春秋狐の会>(しゅんじゅうきつねのかい)
 
今回の釣狐は善竹忠亮一人の披きで完結するものではない。善竹忠重の弟子にも、一人でも多くに披く機会を与えるため、3年間をプロジェクト期間として、半年毎に計6回開催する予定である。
 
第1回は「棒縛り」と「釣狐」の2曲。海外公演でも好評を得るもっとも狂言らしくわかりやすい「棒縛り」とならべることにより、一般観客にも足が運びやすく配慮されている。また、観る側も、両曲の相違と比較に、釣狐のもつ奥深さ、ひいては狂言のもつ芸域の幅広さを実感するであろう。